実家の近くに風情のある昔ながらのお家があった。
高い板塀の向こう側には、木々が覗き、遅咲きの八重の桜の木もあった。
この桜が咲くと、ほんわかと照らしてはった。
祖母は外へ出たがらない人で、めんどいと、今の私みたいなw そのお家の八重桜が咲くと、祖母を連れ出した。
〜〜さんとこの桜が、綺麗よー。咲いたよー。
きっと、近所の人に見せたかったんやろうなぁ。
すぐそこのお家やったから、実家の前からでもよく見えた。
すっかり仕舞い込んでいた夜桜の思い出。
もうお家ないやろうなぁ。
ゆったりと流れていた時が懐かしい。