部屋の中がとても寒い。
外はどんなかと窓開けたらもっと寒い。晩秋やわ。
裾に咲く祖母の愛しは小菊かな
大輪の菊は天向く祖母の花
お祖母ちゃんが他界した時、故人はなんのお花がお好きでしたか？と訊かれて、母も私も、何やったやろ？と顔見合わせ、いやー、あんまりそう言う話した事ないですと答えた。なんせ都会過ぎて周りに雑草の一輪もなかった。
お棺の中の祖母は菊に包まれてた。それでも私は何も思い出さなかった。
本当にごめんねー。
祖母が、もう一回菊人形見に行きたいなと呟いていたのを思い出したのは、祖母他界後数年経ってからの事だ。京都御所の一般公開の時である。(今は通年公開なんだって)近隣に住んでいた事もあり、一度行きたいと列に並んだ。やんごとなき方々のお住まいに入る事が出来るなんてとわくわくしていた。そうして中に入れて戴き、きょろきょろと見回していた私の目に飛び込んで来たのは、お住まいの館に飾られた十二単や当時の装束を纏った実物大的な何体かのお人形さんだった。あー、枚方の菊人形みたいやなぁとふっと思った時、思い出したのだ。お祖母ちゃんは菊が好きやったわ。
幼い頃、祖母達に連れられて、菊人形も見に行っている。
いやー、お祖母ちゃん、ごめん。実家のあった所はその大昔菊畑だったとも祖母は話していた事もあった。すっかり気落ちしてそそくさと帰った。
菊は種類が多い。どんなのが好きやったのかな。お墓に供えるお花には必ず菊が入っている。何色が、どんな大きさが好きやったのかな。いつも思う。ちな、私は母親が好きだった花が何かも知らない。 (´-`=)ﾉ彡☆ｷﾞｬﾊﾊ!!
